アニメ研究日誌の5回目です。

今回は「オタクは気持ち悪いのか?」です。

なんとなく、オタクって……という風潮はあります。二次元にはまる人はなんとなく異質の存在ととられます。そして同時にオタク自身がほかの人とは違うと区別したがる節もあります。

これはどこからきているのか、を探った部分のまとめと考察です。

目次
1.確認~お約束は百の承知~
2.もう人はいらない?~二次元にはまる人~
3.自由選択社会の罠~オタクとヘイトスピーチ~


続きが読みたい方は追記からどうぞ!
1.確認~お約束は百の承知~
ざっと前回の確認です。

まず、キャラ萌えとはデータベース消費である(P156)というところがポイントでした。要するに設定や仕草、萌えポイントが大事ということです。

これの歴史的背景としては、RPGの普及とメディアミックス展開という条件が誕生したことで、キャラクターを重視する楽しみ方が広がり、お約束を学習しやすい環境が整ったことで、リアリティを考えず、キャラクターを断片的に取り出す消費スタイルが台頭した(P156)ということが考えられます。

2.もう人はいらない?~二次元にはまる人~
さて、上に書いたようにオタクは、お約束を理解しているので、コミュニケーションの相手がヒトである必要性がなくなります。要するに、二次元キャラが現実にいないことは十分承知(お約束の理解)でコミュニケーションをとることができるのです。(P161)

「○○は俺の嫁!」というような言い方はこれですね(笑)また、「恋愛シミュレーションゲームで十分」「三次元の恋愛には興味無い」みたいなことが言われたりしますが、それもこの考え方が背景にあると思われます。

ところで、これが極限まで行くと、モノとしかコミュニケーションしないライフスタイルだって可能ですよね。むしろその方が自分が傷つくこともないですし、精神的には楽でしょう。

まあ、今のはだいぶ極端ですが、それが可能なほど「選択の自由」はインターネット技術の発展などにともなって広がっています。これがオタク文化に先鋭的に表れている、日本社会の現代的な特徴なのです。(P162)

3.自由選択社会の罠~オタクとヘイトスピーチ~
現代の社会は、テレビの時代からネットの時代へ移行しました。テレビよりもネットを見ている時間のほうが長いなんて人もざらにいると思われます。

これによって、テレビは決まったものしか見れないがゆえにみんなが共有していた、「これが現実!」といったものが無くなり、各人が好きな「現実」を選べる時代(=自由選択社会)が到来したのです。もう現実の中心はありません(高齢者は除かれると思いますが)。ちなみにここで「現実」のホント/ウソは問わないので注意が必要です。(P163)

つまり私が現実と思うものと、あなたが現実だと思うものは違うということです。その現実が事実かは問われません。

さて、一見良いことのように思われるこの現象ですが、まずいところがあります。それは自由に選べるからといって、偏った「現実」ばかり受け取っていると、社会生活に支障をきたす場合があるということです。(P163)

今、私たちは「自分の信じたいことしか信じず」「知っていることしか知らず」「付き合いたい相手としか付き合わない」すなわち「異質のノイズ」を排除した効率的に「私の現実」を作り出すことができる社会に生きています。(P165)

これは私にもあてはまりますし、このブログを見ている方も「そうかも」と思うかもしれません。たとえば2ちゃんねるで、在日韓国人をテーマに議論しようと思ったとしましょう。おそらく彼らに反対する意見を言った瞬間さまざまな罵詈雑言を浴びせられ、退場を余儀なくされるでしょう。そうでなくても、建設的な結論など一切出ないと思います。

彼ら(彼らをそう思う時点で私自身も)は自分の信じたいことだけを信じそれ以外のことは拒絶します。そしてオタクにもこれは当てはまり、アニメオタクが批判されれば不快に感じ、それを拒絶したがります。また、自分に興味のない分野、たとえばAKBオタクと自分たちを区別します。「俺たちはあいつらとは違う!」と。

これは私の経験的なものなので、単なる一例にすぎません。ですが、ものは違えど、みなさん身に覚えがあるのではないでしょうか。

実のところ、これは現代人であればだれでも抱えている性質なのではないでしょうか。集めているものが違うだけで。(P165)

そう考えると、在日を敵視し、都心でヘイトスピーチデモをする人々と、アニメを愛好し、キャラに萌える私は実は本質的に同じという事なのかもしれません

そしてオタクって気持ち悪いよね~というその人こそが、実は別の意味でのオタクなのかもしれません……


参考文献
南田勝也・辻泉編著(2008)『文化社会学の視座』(ミネルヴァ書房)
※今回はP数をつけました、ちょっとあらいですが……。
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